Yuko's Room ('14.07〜’14.12)

新心

「突然でびっくりした!」
昔、身近な人達によく言われました。

何かしら現状を打破したい時、微調整の苦手な私は、転居や転職など、
ガラッと環境を変える事がよくありました。
それも、ある日突然、そうしようと思ったら後先を考えず、気がついた時には、もう行動を起こした後です。
頭で考えるよりも先に身体が反応していたので、はたからみれば何の前触れもなくと映って当然です。

そんな私も随分腰が重たくなってきました。
よく言えば、熟考してから行動できるようになったと言えますが、
悪く言えば生半可な経験で物事をわかったつもりになり、行動を起こす前に頭の中だけで解決してしまうようになったとも言えます。

どちらにしても、守りに入ってきたことには間違いがないようです。

慣れ親しんだところに身をおいていると、非常に安心感があり、
心も安定します。
しかし、慣れが惰性へとつながり、心身が錆び付く危険性も背中合わせだと私は思っています。

思考回路がパターン化して固まってしまわないように、毎日新鮮な心で朝を迎えようとはしているのですが、ついつい、いつものパターンに・・・
せめて「いつもと違う」を、時折、意識的に取り入れるようにしています。
同じ食事でも器を変えてみたり、通勤電車に乗る場所を変えてみたり、右からする作業を左からしてみたり…
行動をかえれば、心も変わるです。

まだまだ固まりたくないですから。

「まことに日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり」by大学

〜2014.07〜 

生命(いのち)

父母から受け継いだ私の命、その父母もそれぞれ父母がいて、
またその父母も・・・一体、私の生命の始まりは・・・


子供の頃からそのような事を思い、漠然と、ご先祖様のことを意識していたように思います。

今でも、歴史ドラマを観たり、歴史小説を読むと、この時代、
私のご先祖は、何処でどんな暮らしをしていたのだろうと思う事があります。

連綿と命が受け継がれてきて今の私があり、
誰か一人でもかけていたら、私は存在しない、
そう思うと、自然にご先祖様に手を合わせたくなります。

またそれだけではなく、自分の命でありながら、自分の命ではないような気もします。

「子は天からの授かり物」と申しますが、子に限らず自分の命もまた、
授かり物・・・と言うより「預りもの」のように思えるのです。

お預かりしているもの(生命)をいつかお返しするー次世代へ。

それは、どんな形でかは、わかりませんが、
たとえ少しでも綺麗に磨いて返上したいなと。

お盆が近づいてまいりました。
お墓参りをして、会ったことのない遠~い昔のご先祖様へも、
感謝の気持ちを届けてこようと思います。   合掌

〜2014.08〜 

月見

初めて飛行機に乗ったのは、8歳の時でした。
飛行機が離陸し、上昇するにつれ、建物や行き交う車が段々と小さくなってゆくのを眺めながら、

「普段、私はあの中で生活してるんだぁ~全く見えない人の姿、その人(私)が思い悩んでいることなんか、ちっぽけな事だなぁ~」

そう感じた事を、今でも鮮明に覚えています。
おそらく、それからだと思います。
何か行き詰まったり、辛くなった際、天を仰ぐようになったのは。

きっと、その時の感覚を呼び起こそうと、
上を見上げるようになったのだと思います。
空の彼方に広がる壮大な宇宙をイメージすると、
自然と気持ちまでもがおおらかになり、
「まっいいか!」
「何とかなるか」
と思えてくるから不思議です。

さて「春花秋月」と言われるように、
一年で一番お月様が美しく感じられる季節到来です!!
今年の中秋の名月は、9月8日とのことですが、
思い悩む時ばかりでなく、心穏やかな時も、輝く星や、まるでじっと見守ってくれているようなお月様は、私達の心に明かりを灯してくれます。

特に、お月様は、「月うさぎ」のように仏教的な教えとも相まった、
古来から語り継がれてきたエピソードもあります。

たとえ僅かな時間でも、お月見をして、ついつい日常生活に埋没し、
「花より団子」になりがちな渇いた心に潤いを与えたいと思います。
 
地球を守ってくれているお月様に感謝して。

〜2014.09〜 

匂いに誘われて・・・

金木犀の香りに誘われ、思わずパチリ!

 

花は小さく、葉と葉の間に埋もれているようにも見えますが、
存在をアピールするように解き放つ、その匂いは圧巻です。

 

匂いで惹き付けると言えば、あの絶世の美女、クレヲパトラは、
薔薇の香りを愛好し、その香りで世の男性を虜にしたとか・・・

 

匂い(臭覚)は、五感の中でも唯一、
本能的な行動や感情を司る脳に直接作用する、特殊な存在だそうです。


世の男性(女性)を虜にとまではいかなくとも、
何となくイライラするというように、自分で感情をコントロール出来ない時には、ダイレクトに感情へ訴えかける香りの力を借りて、気分転換を図るのも良いかもしれません。


とは言え、エレベーターや満員電車の中など、通気性の悪いところでは、
匂いが強烈過ぎて、気分が悪くなることもあります。

すれ違いざまに思わず振り向いてしまうような残り香であったり、
風に吹かれて、何処からともなく微かに漂う匂い程度が、丁度良いですね。

 

TPOに合わせて、香りを選び、自己演出したり、芳香療法したり、
生活の中で積極的に匂いを楽しめるようになりたい・・・
金木犀の香りが、そんな想いにさせてくれます。

 

 
「姿より香りに生きる花もある」by僧侶必携

〜2014.10〜 

マンション下の金木犀

涙腺が壊れているのではと言われる程、
琴線に触れるとすぐに大粒の涙がポロポロ…

そんな自分が嫌で、クールな人に憧れたものです。

そんな私も、年々、涙が出なくなってしまいました。

今でも、ドラマや映画を観て涙したり、精一杯踏ん張っている時に何気なくかけられた一言で、ふと力が抜けて涙がということもありますが、
せいぜい涙ぐむ程度です。

心の中では号泣したくなるような時でさえ、いや、そんな時程、
涙すら出ないのです。

涙は堪えるもの、そんな風潮の中で、自分の感情を圧し殺す事に、
いつしか慣れてしまったのかも知れません。


人は、笑う事と同じくらい、泣く事も大切だと言われてます。
基礎分泌による涙、刺激による涙、感情の涙、それぞれ成分が異なり、
特に、感情(情動)の涙にはストレスホルモンの成分が含まれていることが
立証されてます。

巷では、「涙活」という、能動的に涙を流し心のデトックスを図ろうとする活動があるそうですが、情感豊かになるこれからの季節、健全な心を保つためにも
一人泣ける場所、時を確保し、心を積極的に解放するのもいいかもしれません。


「涙とともにパンを食べたことのある者でなければ、人生の本当の味は、分からない。」byゲーテ

〜2014.11〜 

悲報

悲しい知らせが届きました。

三十年前に退職した会社でお世話になった上司の御逝去の知らせです。

退職後は、年賀状でお互いの消息を知る程度のお付き合いでしたが、
二年前に突然ご連絡をいただき、その後、親交を深めつつありました。
元上司と部下という関係から、年月を経ることでかえって距離が縮まり、
姉妹のように感じあえる事が嬉しくもありました。

その方は、今で言う「おひとりさま」で、私の住まいのそばに引っ越して、
終の住処にとおっしゃっていた矢先の事です。
あまりの突然でびっくりしましたが、ご連絡下さったお兄様へお伺いすると、
二年前に癌の手術をなさっていたとのこと。

そうです。私にお電話下さったのは、その頃です。

「まさかの友は、真の友!!」

お会いするたびにおっしゃっていたその言葉に込められた、その方の想いを、
私がもう少し深く読み取っていれば・・・

独りご自宅で最期を迎えられ、発見されるまで少し日数が・・・
とお兄様からお伺いした時に、思わず、二十五年前の事を思い出しました。
一人暮らしをしていた叔母からのSOSに気づかず、
たった独りで最期を迎えさせてしまった事です。
当時、叔母は病弱ではありましたが、まだ50代ということで、
まさかそんなに早く死が迫っていたなどと、20代の私には、
想像する事すら出来なかったのです。
少し離れていた事もあり、仕事が休みの時に見舞おうと悠長な事を思っていた私を待ちきれず、独り寂しく永遠の眠りについてしまったのです。

その時の教訓を生かす事が出来なかった事、
真の友になりきれなかったことが、無念でなりません。

享年67歳
最期まで、背筋を伸ばして格好よく生きた方でした。
ご冥福をお祈り申し上げます。

合掌

〜2014.12〜 
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